2010Jリーグ第1節 鹿島アントラーズ戦

負けるのはいつでも嫌なものだけれど、その相手が鹿島になると、その感情は何倍にも増幅される。試合内容や新しいコール、スタジアムの雰囲気はいつも通り、いやもしくはそれ以上に体に残っている。でも、悔しいという感情だけが体のそこかしこから飛び出さんばかりで、試合のことを振り返る余裕がなかったから、記憶の抽斗にカギをかけ、この数日間を過ごしていた。

↓ここから続き

なんか最近鹿島に全然勝ててないなという感じが強くあって、記憶を辿ると昨年から3連敗。2009年は、久しぶりにダブルを食らった年だった。でもそれ以前に遡ると思ったほど負けてない。2008年は1勝1分だし。あれそんなもんだったっけ。ついでに2003年まで下ってみたら、これが良い勝負しているんだ。2003年から2010年の開幕戦を含めたリーグ戦では、ホーム:3勝3敗1分・アウェイ:2勝3敗3分・合計:5勝6敗4分と、ほぼ五分の星で、かなり良い勝負をしている。まあ、それ以前を含めるととんでもない事になってるんだけどね…。

なんてことを考えていたら随分楽になって、昨日の夜はようやく試合の映像を見直すことが出来た。改めて見ると、現地で感じていたのと同じ感覚が甦ってきた。その前の週、新宿のネイキッドロフトで行われたトークセッションで聞いていた話がフラッシュバックしてくる。「フィンケは、日本人が4バックの動き方をもっと知っていると思っていたみたい。」「こんなことを教えなきゃならないのか?」

2010鹿島戦・アウェイ

立ち上がりに喫した失点は、紛れもなくディフェンスラインのミステイク。ラインディフェンスではあるまじき行為を、坪井はしていたと思う。小笠原がクロスを入れようとしていたタイミングの時、対面では平川が対峙していて、ラインの起点はそこになる。暢久はそこに合わせてラインを作り、宇賀神もしっかり一つのラインになっていた。しかし、坪井は何故か余る位置にポジションを取り、尚かつマーカーであるコオロギを離してしまっていた。

たぶん距離で言えば1メートルちょっとのズレだとは思うけれど、ラインディフェンスでは致命的なポジショニングのズレ。こういうことを繰り返していると、失点は絶対に減っていかない。スタジアムではコオロギに斜めに走り込まれたんだと思っていたのだけれど、映像を見返すとどうしてもそういう風には見えず、単純にラインを作れていなかったのだ。思っていたよりも重傷だと思う。キャンプでフィンケはディフェンスの練習ばかりしていたみたいだし、前線から中盤を含めた攻守の切り替えはずいぶん良くなってきたと思えただけに、最終ラインの不安定さは残念だった。

逆に、攻撃の面では良い部分がいくつも見られたと僕は思っているし、それほど心配していない。柏木は想像通り優れたプレーを見せてくれて、特に秀逸だったのが、後半エジミウソンの落としを達也がミドルシュートした場面。このとき、柏木はペナルティアーク周辺にいたエジミウソンから20メートル近く後方に位置していて、そこからグラウンダーの縦パスを入れてきた。そのパスをダイレクトでエジが落とし、達也がシュートを放つ。得点にはつながらなかったものの、今までの浦和ではほとんど見たことが無い形だったと思う。

柏木のグラウンダーはレンジが長く、更に縦へ入れようとする意志がとても強い。また、エジミウソンの数メートル付近に達也が居たということも大きい。サイドへ展開して打開しようとする場面が多い今の浦和だけれど、こうした形を持てるのは、攻撃にアクセントをつけるためにも重要なことだ。柏木は、パスの相手が数センチでもマーカーを外せば入れてくるし、また入れられるだけの技術と視野がある。2本ダイレクトがつながっただけでシュートまで持ち込めるということは、相手に引かれて手詰まり感があっても、そのプレーには数秒でそこを打開できる力があると言える。また、技術の高さで勝負するが故、たとえ読まれていたとしても進められる強さがある。開幕戦ではその頻度が多いとは言えなかったけれど、今季からスタメンを奪ったセルヒオや宇賀神を含めて、すり合わせにかかる時間はそれほど必要ないと思う。

ディフェンスラインがどれだけ整備されるかは、たぶん選手たちに染みついた古いやり方をどれだけ払拭出来るかに掛かってるし、そのためには選手の入れ替えも必要なのかも知れない。中盤の作りや、攻撃への仕掛けは昨年から引き続いた流動的な動きのあるやり方を踏襲していて、さらにそこへギアチェンジのパスを入れられる柏木が加入し、仕掛けでアクセントを付けられるセルヒオと宇賀神がスタメンを勝ち取った。攻めの形は、十分に作り出せるんじゃないかなと感じている。

良い面と悪い面が両方出た開幕戦は、結果こそ0-2の敗戦と同じ数字になってしまったけれど、僕は一つとして同じ印象を持っていない。去年は、本当に手も足も出なかった感じがそこかしこから感じられた。ただ、浦和が明らかに前年までと違う内容のフットボールをやっているのを知れて、単純に夢を見られた。今年は、もちろん人によって感じ方は違うだろうけれど、僕は手も足も出ないなんてまったく思わなかった。今年は、浦和がどんな風に変わるのかを楽しみにするのではなく、成熟していく若い浦和を見られるんだと。不確定なワクワク感は完全に消失し、どっしりと腰を据えて進んでいく浦和の姿が今年は見られると思う。何年か前に見た光景が、既視感のように目の前を駆け抜けていく。

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ひげ同盟

(2)のコメントがあります

コメント10えちごや

まったくをもって仰せのとおり。
攻撃に関しては人が入れ替わってるからか、ワクワクするものが見れたけど、ディフェンスについては相手に丸木という現在国内屈指のFWがいたせいもあるかもしれないけどかなりヤバかったね。
最終ラインの4人のうち、2人が4バックの動きをまったく理解していないというのはかなり致命的。ここがどうにかならないとディフェンスがディフェンスにならなくなるね。

ただ、全体的に見れば進歩をしているのは試合をちゃんと見ていれば明らかなこと。雑音に負けず、この方向性を妥協することなく貫いてほしいね。

  • URL
  • 2010/03/10/Wed 13:23:44
コメント11うら@管理

>えちごやさん

そんなことを言っていたら、どうやら今週末は岡本君の出陣みたいですね。それはそれで楽しみ。しかし小さい選手が並ぶ4バックだなと(笑)
右から174cm・179cm・175cm・171cmですって。
まあ、CL制覇したときのユーベだって似たようなもんですけどね。

どちらにせよ、着実に進歩していると僕も思っていますので、お願いだから内側から崩れることだけはやめてほしいなと。

  • URL
  • 2010/03/11/Thu 12:24:56
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